utopistics

日々のことを。

2013-09-01から1ヶ月間の記事一覧

放課後

曼珠沙華、赤く伸びる頃 学校の、校庭では 二学期にはいって急に大人びた口ぶりになった 同級生と フットベース階段の踊り場で交わす軽口 手すりに触れる 木のぬめりとした つや

薄雲

台風が夏をかっさらっていって 空のお掃除 てっぺんまでスペースが大きくなり ぽーんと ぴーんと 澄んでいる

秋虫

秋虫の鳴き声文字に起こすこと できるかなリリリリリリリリチチチチチチチチこれが二つ重なった音倍音を文字にすることができなくてくやしい わたしたちの使える言葉は聞き逃した音を たくさん 隠してる

夕方の社員食堂

遅いランチをつつきながら近年の不遇を 嘆きあう要は部署の愚痴の中で 「そうですよ 最近はマニキュアもしなくなっちゃったもの ドキリ。 同僚の意外な一言 。 全然着飾らない人なもので 失礼ながらその台詞と 本人の組み合わせに驚いた。 女の秘密は女だけ…

クマグスクの夜

久しぶりの長い休みを、小豆島で過ごすにあたり 最初の二晩をクマグスクという変わった名前の宿に決めた。 島をさんざん回って夜分に到着する。遅くなりすみません。 「こんばんは。二泊でしたね。 では二泊分の、お家賃を納めていただきます。」 これから二…